2015年3月22日日曜日

称説

私は常雄右腕
弁護士だ。
私は、いつものように依頼人の弁護に駈けずり回る日々を送っていた。
そんなある日、私は、いきなり刺された。

刺したのは女だった。

私は、訳がわからなかった。
この女は誰なのだろうか?
薄れいく意識の中で、聞こえた言葉は、、

「私と一緒に死んで・・・」。

気が付くと私は、病院のベットの上にいた。
横には、さっきの女がいた。
女は、私に必死で謝っていた。

彼女の説明では、自分を裏切った彼氏と間違えて刺してしまったのだそうだ。

間違えた理由は、その彼氏と私の顔がソックリだったからだそうだ。。

私は、困った。困惑した。
その中で、一番の問題となるのは、仕事だった。
傷は幸いにも浅く、しばらく入院すれば助かるそうだ。、
けれど、私は、急ぎの仕事を沢山抱えていた。

私は、小さな弁護士事務所を仲間と経営していた。
仲間は、経理担当や雑務ならこなせるが、私の代役にはなりえない。
このまままでは、事務所の信用がガタ落ちになってしまう。

普通、弁護士は、同業者とある程度のネットワークを持っていて、
自分に何か起きたときの為に、代役を作っているものである。
私も代役が居るから、頼むことになるのだが、とても悔しい。

事務所が失望されて、普通の仕事が奪われるなら、私も許せる。
けど、今回の仕事は普通の仕事などではない。
私たち事務所の未来が掛かっている。

この案件は、企業の権利訴訟に関するもので、莫大な資金が動いている。。
1回の弁護報酬も千万単位で動くのだ。
こんな稀な案件、小規模事務所に転がり込んで来るなど、もう永遠にないかもしれない。
この案件を勝ち取れば、私たちの事務所は、企業権利分野で一気に有名になれたかもしない。
このチャンスだけは、失いたくなかった。

私は、一年も掛けて、裁判を闘う準備をしていた。
あきらめる事など出来るはずがなかった。

私は、彼女を責めた・・・

だが、彼女に、責任は取れるはずもないし、法律上責任もない。。
彼女は、私がこんな重大な案件を抱えているなんて知るよしも無いからだ。
一般的な人が受けるであろう、損害を彼女は負担すれば良いだけだった。

彼女は、何とかして、罪を償おうとした。
思えば、彼女も辛い思いをして、こんな事件を起こしてしまった。、
彼女のひたむきな姿勢を見ることで、許したい気持ちになっていたのかもしれない。

時は経ち、冷静になってきた私は、あの重大な案件に踏ん切りがつき始めていた。

彼女は、変わらず、私の銀行口座に、慰謝料を振り込んでくれている。。
だが、その額は、一般的な人が受けるであろう慰謝料を遥かに超えた金額だ。
慰謝料の契約時、彼女は私の意志を尊重してくれて、譲歩してくれたのだ。

だが、私は、疑問に思った。
普通の人が払い続けられるような金額では無かったからだ。

私は、事件直後は、我を失って興奮状態であった。
だから、余裕がなく、彼女のことは、あまり知ろうとはしなかった。
彼女は、一体、どこから、お金を捻出しているのだろうか。

私は、彼女の事が気になった。
間違った慰謝料を返す為も含めて、彼女に会うことにした。

彼女に連絡を取り付け、カフェで待ち合わせることになった。

彼女は、躊躇していたが、喜んで私の金を受け取ってくれた。
私は、彼女の仕事について聞いてみたが、教えてはくれず、そそくさと、帰ってしまった。

気が付くと彼女は、自分のハンドバックを忘れて帰っていた。。
私は、走って届けにいった。
追いかけた先で、彼女は風俗店に入っていった。

私は、足が止まった。
私の金を返すために、ここで働きだしたのだとしたら・・・
私は罪悪感を感じた。
彼女は、私に、知られたくなかったのだろう。
でも、もう働く必要など無い。

私は、風俗店の係りの人に、忘れ物を届けて帰ろうとした。
だけど、嫌な感覚があった。
言葉では説明できない嫌な感覚・・・

私は、この店の届出を調べた。
無許可営業だった。
私は、気になって、彼女に連絡をした。だが、繋がらなかった。。

私は、嫌な想像をした。
私が弁護士であることは、係員に彼女の忘れ物を渡した時、弁護士バッチでばれた気がする。
だとしたら、闇の風俗店は、もみ消そうとするだろう。
彼女に連絡が付かないのは、彼女に危険が及んでいる可能性があることになる。

私は、その風俗店に行てみたが、時既に遅かった。
店には誰も人は居なくて、彼女の住まいは引き払われていた。
彼女は、消息不明となっていたのだ。

私は、念の為、彼女の親御さんの連絡先を調べて見たが、彼女に家族は居なかった。

だれからも、捜索願も出されない。
だれからも、助けるられることは無い。

私は、この時、初めて闇の世界の卑劣さを知った。
「私が助ける。」
「奴らは、私がぶっ潰す」

私はまず、弁護士のネットワークを使い。
過去の暴力団関係の案件を徹底的に調べた。
私の気持ちが通じたのか、警察関係者に、つながりのある弁護士が協力してくれた・


調べていくと、
奴ら違法風俗店は訴訟の警告を受ける段階で逃げている事がわかった。
偽名を使いヤバクなった逃げる。別の土地で、また偽名を使い風俗店を経営する。
同じような手口で、全国を転々と移動していた。。

だが、奴らの正体、居場所などは特定できなかった。
別の暴力団達も同じような手口で違法風俗店を経営していて、それが無数に存在するのだ。どの風俗店が、どの暴力団と繋がりがあるのか、全くわからなかった。


弁護士仲間の話によると、
日本中のあらゆる土地で、これと同じ犯罪が繰り返されているのだそうだ。、
警察も犯人を捕まえても捕まえても、違法風俗店の数が減らない事に嫌毛がさしているのだそうだ。、

私は、腹が立った。。。
奴らや組織もそうだが、全ての人間にも・・・
そこに通う客、そこに違法風俗店があるのに、周りの人間が気づかない無頓着さ。

だが、それは、自分に対しての言い訳だった。
元はと言えば、私が彼女を追い込んだ様なものなのだ。
私は、自分自身の無頓着さに腹を立てていた。

せめて、彼女から、連絡さえあれば、助けられる希望はあった。
だが私の携帯が鳴ることは、一度も無かった・・・



気が付くと、私の生き方は変わったいた。
企業相手の金儲けの主義の様な依頼は断るようになり、、
暴力団相手の訴訟に勤めていた。。

私は、日々、暴力団の証拠の調査をしているうちに、刑務所にいる一人の囚人に、ある話を聞いた。
その囚人は、私の調査などに簡単に応じてはくれずに、ふざけていた。

囚人は、昔の女の話をぺらぺらと、話していた。
その話の中に、失踪した彼女を連想させるワードがいくつも入っていたのだ。
確信を持ったのは、この囚人の顔だった。
丸刈りで、一見すると、判らなかったが、わたしの顔にソックリであったのだ。

囚人は話を続けた。
「あの女は、俺にぞっこんだったから、いいなりだった。
紹介した風俗店で俺の為にしっかりと稼いでくれた。
いいヒモだったんだが、一体どこに逃げたんだろうな。
惜しい事をしたなーーーーー。。」

彼女の苦しみが、私に流れ込んできた。
彼女は、最後まで、この腐りきった男を愛そうとしていた。。無理やり働かされ、追い詰められ、一時は私と彼を間違えたものの心中までしようとした。




殴ってやりたい。殺してやりたい。
けど奴は、壁の向こう・・・



怒りをこらえるのに必死だった。



あるとき、私は奴と同じ顔である自分に狂いそうになる。



鏡で自身の顔を見ると奴を思い出し、奴と自分が同化し、生理的に自身を受け入れれなくなった。



言いようのない嫌悪感に日々苛まれていた・・・





奴は刑期を終えて出所した。ごろつきとはいえ、所詮は麻薬依存患者に過ぎない。

麻薬不法所持での逮捕であり、密売に関わった訳でもない。彼女を落とし込めた証拠もないから刑期はたったの1年だった。



殺すのは容易い・・・



おそらく世間的にも警察的にも彼と私を繋げる関連性も動機も見出せないだろう。暗がりの路地裏等で鈍器やらで殺害すれば逮捕されるとは思えない。



私が奴を殺す事はもはや彼女の為ではないだろう。復讐だとしても、私と彼女は恋人同士でもないし、殺す理由にもならない。

私は、ただ自身とそっくりの奴の顔を抹殺したいだけなのだろう。

奴の存在を無かった事にして、あるがままの顔、自身を保ちたいのだろう。

自身の中にある正義は所詮は偽善かもしれない。

殺しても意味ないだろう相手なのに、それでも殺すのを心底容認している。



私は人よりも正義感ある者だと信じていたが、どうやら違ったみたいだ







選択肢をどちらを選びますか?


A、殺す

B、殺さない

C、整形する













~「A殺す」~





ひと気の無い路地裏で私は奴を殺した。

金属バットで殴り倒し、倒れたところを紐で占めて殺した。

最初は悶絶していたが、逝かせる程、大人しく、静かになった。

意外とあっさりと、楽そうな死に様であった。

一瞬に苦痛の後は直ぐに首絞め、一瞬で脳の血流を奪ったから、直ぐに意識を飛ばしたろう。殆ど安楽死だったろうな。

これでよかった。

生きててもどうせまた誰かに迷惑をかけるだろ。



私はその日から何かがふっきれてしまったのかもしれない。

世間の悪事に対して、あまり感情的にならなくなった。

良く言えば寛容的になったのだろう。



弁護する被害者に過度に同情しなくて良くなったし、疲れなくなった。



加害者の気持ちに理解が及んだのか、重罪人とのコミュニケーションもやりやすく、無茶な裁判で負けても恨みまれにくくなった。



はあ、早く出世したいな。

仕事をやらされる側じゃなくて、選べる立場になりたい。



弁護士人口が多すぎるのが良くない。

ただでさ少子化で不景気なのに、。

まあ、不景気だからその分犯罪増えてくれて仕事はあるのだけど・・・ただ犯罪者はDQNばっかりで正直楽しくないし、やりがいない。



善人の客は大手の弁護事務所にとられるし、むしろ、いつも被害者を虐める側になる感じの仕事ばっか。

悪人ばかりと話してたら、ますます自身が善人か悪人かわからなくなるし、

この仕事は

犯罪心理学者とか目指したい人くらいにしか、やりがい成さそうな気がするな

あるいは橋下弁護士みたいに、有名になって政治家に立候補するくらいか。

弁護士行で生涯やには、普通のサラリーマンのちょっと上くらいかもしれない。公務員の方が安定してるだろう。

人生の選択間違ったかなぁ。人も殺しちゃったし・・・









<B、殺さない>

ある日、奴が私のところに尋ねてきた。

仕事はないかと言うのだ。

聞けば、私と顔がそっくりだという事で一方的に親近感があって訪ねてきたらしい。

ずうずうしい奴め。

出所しても行くあてもなく、この先、また女あさって、はめてゴロツキ活動するかもしれないとか。

断っても、強迫みたいな事言いやがる。

奴は私の正義感に依存しようというつもりらしい。

だったらまずその顔を整形なりして変えろよ。

人を雇う余裕も必要もないので即帰って貰いたい。だが奴は居座り続ける。

仕事はなくとも、給料がなくとも、住み着くつもりらしい。めんどい。



「俺たち双子かもな」

奴が言った。

言われてみるまで、私も気付かなかった。



私は孤児として育った。育ての親はいるが、実際の両親は不明だった。

奴も同じ様な境遇だそうだ。。

どこかで2人は生き別れになった可能性があるそう。

知ったこっちゃない。

DNA鑑定したら判るかもしれないらしいが、実際に双子だったら、おぞましくてしたくない。

いずれにせよ、それとこれとは関係なく居座るつもりだろうから







選択肢どちらを選びますか


A奴を追い出す。
B奴を追い出さない









<A=奴を追い出す>
程なくして奴は強盗+レイプ犯罪を行い警察に逮捕された。
被害者がかわいそうだ。
バッドエンド!
しかし、奴から国選弁護の依頼が舞込み、私の財布は温まった。勿論国民の税金である。
年間のレイプ事件は2000件越えあるが、恥ずかしくて警察に訴え出てない被害者を含めると1万人前後はいるらしい。
私は日本の犯罪統計悪化に貢献することとなった。




<B=奴を追い出さない>
追い出して野放してもだ。わたしと同じ顔で犯罪等されると私がとばっちりをくらいそう。嫌な予感もするので奴は事務所に置き、監視する事にした。
給料は出せないが、いそがしいときは雑用くらいさせようかなぁ・・・従いそうにもないけど






<C=整形する>
私は自身の顔が生理的に受け付けなくなり整形をした。
どうせ整形するならとケメンに生まれ変わりたいと思う。
整形には失敗はつきものらしいが、この顔じゃなきゃいい。とにかく失敗したとしても受け入れられると思う。
だが思いの他、成功しすぎた様で女装するとアイドルの根岸愛っぽくなった。
イケメンかつ女装もできる様になった私、今後の仕事に活かせそうに思う。






<番外編>

~奴の視点~


「あなたの彼女に・・・あなた自身を殺させるようにしてください。」
当初、弁護士は、そう俺に言ってきた。
その弁護士は、前払いの報酬として500万。
成功報酬として更に500万、そして・・・永遠に麻薬の横流しをしてくれると約束した。
悪い男だ・・・

だが、そういう俺も十分、悪い男だ。
自分で言うのは変だが、俺は、悪い人間だ。
ごろつきと言うやつだ。
でも、ただのごろつきじゃない。
俺は、モテる。

俺の彼女は、俺に沢山の金品を貢いでくれる。
とても都合のいい女だ。
女には、風俗で働いてもらっている。

俺は、沢山の借金がある。
正直、参っている。
闇金から、金を借りてしまい利息で、借金の額が100倍くらいになっている。

俺は頭が悪かったから、闇金の仕組みをぜんぜん知らなかった。
返す必要ない借金を払い続けていた。。けど、具体的にどうすれば、怖い借金取りから、逃げられるかは判らなかった。
俺は、すがる様に、無料の弁護相談会に参加した,

そんな時、その変な弁護士と、出会ったんだ。
その弁護士が言うには、殺したい男が居るのだそうだ。
偶然にも、その殺したい男の顔と、俺の顔が、ソックリで、彼女に俺と勘違いさせて殺させたいと言うのだ。

どうして、そんなまどろっこしいことをするのか俺は疑問だった。
闇討ちして殺せばいいことだし、俺が殺しても良いと思った。
けど、弁護士は、それでは駄目だと言ってきた。

けど、俺は、犯罪の方法が判らなかった。
恨まれて殺させるなら判るけど、それじゃあ本当に自分が殺されてしまう。
だが、弁護士は、全てが上手く行く方法を教えてくれた。

俺は報酬さえ貰えれば、それでいいと思った。
弁護士との契約は成立して、俺は500万を手に入れた。
そして弁護士が提案した方法を実行に移した。




ーーー番外編 奴の彼女 秋早の視点ーーーーーー

秋早は、今日も彼の為に稼ぐ。嫌だけど今日も仕事に行く。。
全ては、彼の夢の為、彼の役者になりたいというと夢を叶える為だ。
彼は、言ってくれた。「成功してビックになったら、結婚しよう」と・・・

仕事中、彼から電話が掛かってきた。
彼は、急ぎの用で直ぐに来て欲しいとのことだった。
呼び出された場所は、人気のない公園だった。

そこで、秋早は、男たちに囲まれた。
秋早は、その場で、男たちにレイプされた。
男たちが去った後

私は、彼に電話を掛けて助けを求めた。
彼はこう言った。
「おお!!どうだ気持ちよかったか?」
「俺、お前のこと飽きたからさ、その男たちにお前を譲ったんだ。」





<奴の視点>

弁護士の指示どうりにしたら上手くいった。
女は、俺に泣きながらすがり付いて来た。
俺に他の女が出来たと言い。
そして、これから、その女と待ち合わせすること、その待ち合わせ場所を伝えた。

おれは、勿論、その場所になど行かない。
行くのは、俺の変わりに殺される男だ。

任務は成功した。。
俺は、契約どうり報酬をもらいに行った。

弁護士は、麻薬を流通させているマフィアにコネを持っている。
俺は、その弁護士の計らいで、好きなだけ麻薬をもらえることになっているのだ。

その待ち合わせ場所で、俺は待った。
程なくして、一人の代理人が麻薬を持ってきた。
俺は、その麻薬を受け取り、喜び勇んで帰ろうとした。

と、その時。
警察が乗り込んできた。
俺と、その代理人は、そのまま刑務所送りとなった。
弁護士からの連絡は、その後、何も無かった。。。

俺の真実は、誰も信用してくれなかった。
弁護士にハメラレタと気づいた時には遅かった。
俺は、悔しさと、怒りに、狂い。
麻薬の禁断症状に錯乱する日々を送り続けることになっていたのだった・・・

俺はこの件を常雄右腕に言うべきか悩んでる。
刑務所に常雄が面会に来る少し前、俺宛に奇妙な手紙が届いた。
手紙には「真実を人に話せば殺す」と一言だけ書かれていた。
囚人宛の手紙はチェックされる筈なのにこんなものが届くというのは、警察内部にも敵がいるという事かもしれない。権力はかなり大きい。

俺はもしかしたら、相当ややばい状態にある。
不用意な行動はできそうにない。

敵の目的は【俺にそっくりの顔をしてる常雄右腕を殺す事】だったのだろうか。
だとすれば敵は常雄殺害に失敗したのであり、いずれ常雄は殺されるのだろうか。
敵に大きな権力があるなら、そもそも証人である俺を生かしておく理由もないのだが、それを生かしてる意味は一体どういう事なのだろうか?


俺は務所内で散々考えた。
出所後、もし常雄が生きていれば敵の目的は常雄殺害ではなかったという事。
常雄が死んでれば敵の狂気は強い証拠だ。最悪、俺も口封じで殺されるのかもしれない。

もし常雄が生きてるならば、この事件をキッカケにして誰かが損を免れた、あるいは得をした等の利害があったのだと思う。
その利害が何かは判らないけれど、とても気になる。出所したら調査してみる必要があるだろう。
灯台下暗しともいう、危険だとしても、逆にそれが敵を動きを知り防衛になるかもしれない。
そうだとしたら、脅す武器として、はったりをかますだけでも、効果があるかもしれない。
俺が敵に勝利するとすれば、むしろ常雄の傍にいる方がチャンスがあるかもしれない。
敵にとって弱みの根源、原因物である常雄右腕そのものと一緒にる俺を即時に殺すとか絶対ありえないだろう
常雄すらとも一緒にるのだから、どの程度、人に話したか判らない。
俺が世間に何を風潮したのかを聞くまでは絶対に殺せないだろう。
覚えてろよ、俺を騙した借りは100倍にして返してやるぜ。

と、伊勢いい事いっても結局は麻薬がやりたいだけなのだよ。

俺は常雄の元に行くまでに医療刑務所に入り麻薬のリハビリをさせられたんだが、しかし出所して以降も麻薬はやめられなかった。
しかし手に入れるのにも多額のカネが必要だ
仕事をするにしても、家を借りる家賃代がもったいない。
まともな生活をしながら麻薬を手に入れるなんて現実的じゃない。
結局、強盗をしてでも手に入れたい衝動に駆られるだろう。
我慢してちびちび働いても麻薬を買うお金なんて集まらない、、
次パクられると流石に後がないからこそ、常雄を利用するだ







<悪徳弁護士 ある男の視点>


俺の親父はマフィアのボスだ。
悪い事を沢山している。
そんな親父が大嫌いだ。

俺は、正義の味方・・・弁護士になるんだ。

そう決心したキッカケは、母がまだ生きていた頃だ。


母は、親父にひどい仕打ちをされた。
母は病気で先が長くなかったのだけれど、
親父は母の見舞いに一度も来る事は無かった。

それでも母は、親父の事を愛していた。

俺は、親父に必死で見舞いに来るように頼んだけど、まったく聞き入れてもらえなかった。
そんな親父が許せなかった。

あんな親父にだけは絶対になりたくない。
いつか、親父を倒してやる・・・大きな力が欲しい・・・
そう心に誓って生きた。


親父は放任主義だった。
俺が学校でトラブルを起こそうとも、何にも関与してこなかった。

気付くと俺は好き放題していた。
クラスメイトを苛めたり、ケンカをしたりの日々だった。

そんなある日、俺はケンカで返り討ちにされ、負けてしまった。
自分が許せなかった。
自分より強い奴を認めたくなかった。
俺は、その日から、毎日イライラして、物や弱者に八つ当たりしていた。

そんなある日、テレビのドラマで弁護士という職業を知った。
その弁護士は、怖そうな屈強そうなヤクザに、勇気を持って立ち向かっていた。
弁論でヤクザを言い負かし、追い払っていた。

俺は、それを見て、弁護士という職業に憧れた。
俺は、その日から弁護士になることを決意した。
俺は、今まで、勉強しなかった分、猛勉強をした。

親父には内緒で司法試験を受けた。
努力の甲斐あってか合格し、弁護士への道が開けた。

「俺は弁護士になる」
俺は親父に、そう宣言した。

「ふざけろ!! お前は、跡取りになるんだ。俺の後を継ぐんだ!!
馬鹿なことは言うんじゃない!!」

「馬鹿は、親父のほうだ! 俺は最初からそんな気はさらさら無い!
俺は、お前という存在が嫌いだから、弁護士になって潰すんだ!!」

親父は勘当宣言して親子の縁を切ってきた。
上等である! 俺は慰謝料として家にある金をあるだけ持って家を出た。


家を出た後の俺は、毎日、必死に頑張った。

俺は念願の弁護士になることが出来、初の仕事をする事となった。

俺は、必死で戦った。
だが、負けてしまった。
俺が負けた相手は、俺と同い年くらいの男だった。
悔しかった。俺は自分が許せなくなった。

そいつとは弁護士との交流会で再び出会った。
その弁護士は俺の顔を覚えていた。
俺に近寄り、慰めの言葉をかけてきた。

俺のプライドは傷ついた。
俺は、こいつより劣っているのか?
こいつよりも負けているのか?

俺は、そいつを見返してやる為に、必死で法律の勉強をした。
どんな裁判にも負けたくない。
ただ、それだけだった・・・

だけど、俺は、どんな裁判にも勝てなかった。
今思えば、単純に運が悪かっただけかもしれない。
だけど俺のプライドはズタズタで、どうしょうもなくなっていた。

俺は、知らず知らずの内に、壊れていった。

気付くと、組の麻薬に手を出してしまっていた。
組の者達にとっては、俺は、まだ、父の息子であり、俺に逆らうことが出来なかったのかもしれない。

悔しかった。
結局、親父に負けてしまっている・・・

ある日、また、弁護士との交流会で、その男と会った。
男は、前々から俺が目を付けていた女弁護士と、イチャイチャしていた。
俺は、そいつらの間に割り込んで邪魔をしようとした。

すると、女が突然俺を見て、笑顔で話し始めた。

どうやら、この男が、ビックな仕事の依頼を受けたそうだ。
女は、メス犬のように、この男にこびるようにしていた。
まるで、自分の手柄のように自慢して・・・

俺は、悔しかった。
なぜ、こいつなのだろうか?
俺にだって出来るはずなんだ。
その仕事は俺の方が相応しい。

俺は、そいつから、そのビックな仕事を奪うことにした。
組のコネを使って男を陥れ、仕事を奪い取ってやった。

俺は、その仕事で初勝利を上げた。

そして、そのビックな仕事に勝った事により、俺の名前は業界で有名になった。
有名に成った事で、テレビの依頼が来る様になり、世界が変わった。
何もしなくても女からモテるようになり、弁護士の仕事をやらなくても金が入ってきた。

そんなある日、俺に政界からの声が掛かってきた。
俺は、正義の味方である。断る理由など無い。
むしろ、親父に勝つためなら、政治家の椅子は必要になるだろう。

俺は、政界からの資金援助をバックアップにして見事当選し、議員となった。

俺は政治的な力を得た。だが、まだまだである。
親父に勝つなら、もっと大きな権力が必要である。
目指すは、内閣総理大臣である。




<番外編 奴の彼女 秋早の視点>
秋早は誘拐された。四方が壁に囲まれたコンテナの中に入れられて、2週間出られなくされた。
といっても、いつ出られるかは事前に教えて貰えない。
水や食料は与えられず、周囲にあるのは使い捨てのトイレ、覚せい剤と注射針のみであった。
食料が欲しければ、覚せい剤を打つこと。そう男に言われた。
覚せい剤なしでは生きられない体を作るのが目的の場所らしい。
死ぬかシャブ漬けにならないと外には出られないという事であり、一旦覚せい剤の虜になればその為に生きる様になる。表への社会復帰はできないという事。
そしてヤクザ専属の風俗嬢にされた秋早。
一般人客は利用しない裏業界なので、助けを求めても誰も助けてくれないだろう。

今の秋早にとって彼の存在はもうどうでもよかった、今は人生を半分以上放棄してる。
とはいえ体を売る人生には、そもそも慣れてるし、そこにシャブ漬けがいまさら加算されたからといって、どうってことない。
問題は秋早にっとて彼の存在がどうでも良くなったからこそ、今の生き方を捨てたくなったという事。
彼という存在がいたからこそ、今までは人生の全ては放棄できる覚悟あったのだ。
恋愛中毒でなくなった彼女にとって、全てを失った今こが、、人としてのらしさを取り戻したい思いに駆られていた。
いうなれば警察に出頭したい衝動。
覚せい剤が使えなくなる環境になっても構わない気持ちになっていた。

問題はそれを阻止されるという事。
同じ様な理由で警察に出頭しようとした娘がいたけれど、警察内部にヤクザの権力が込み入ってる事。
口封じで殺されるか、罰として思い刑を科せられるか、しかないだろう。

秋早は逃げるのであれば過去の身分を捨てて、偽装された新たな身分が必要だと思った。

幸い裏の世界に詳しいヤクザの相手をしていた事もあり、その術を実行できる立場にあるのだと気付いた。

秋早は色仕掛けで偽造証の売人を口止めし行動する。




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